自由に積み重ねる。

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一人旅を愛する理系院生の雑記帳

留学して感じたドイツ社会と日本社会の違い

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留学してドイツ好きになった私ですが、 逆に日本の方が便利だと感じることもあり、文化や社会の違いを発見しては喜んでいました。

私はドイツ人の方が優しいと思っていたのですが、 イスラエル出身のドイツ留学生は「日本人の方がドイツ人よりも優しい」という意見を持っていて そういったやりとりがなかなか楽しかったです。

今回は、面白かったドイツと日本の文化・社会の違いを色々紹介していきたいと思います。

日本と比較したドイツの面白かった点7つ

1. やっぱりビール!昼でもビール!

街ゆく美しい若い女性がふと立ち止まった。右腕を振り上げ、そのまま口元へ持って行ったのは…ビール瓶!まじか。 ビール大国ドイツでは、みんなビールやワインめちゃくちゃ飲みます。(他国出身の人は飲まないです) 知人のドイツ人は最低1 Lは飲めなければだめだと言っていました。ギブアップ。

2. ペットショップが少ない

バスや電車に犬が乗ってくるドイツですが、ペットショップがどこにも見当たらないんです。 気になって思って調べたところ、犬猫はブリーダーさんやティアハイム(Tierheim)と呼ばれる動物保護施設から譲り受けるのが一般的なようです。

日本では犬はペットショップで購入するものと考えていたので、犬が多いドイツにはペットショップが多いのかなと考えていたのですが、 「購入する」ではなく「譲り受ける」が普通の感覚なんですね。

それ用に育てられた生き物でなく、飼い主を求めている生き物をペットとして譲り受けるのは、人にもペットになる生き物にも理に適っていて素敵な常識だと思いました。

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3. エレベーターに閉ボタンがない

留学したての頃、研究棟を案内して頂いたとき、エレベーターに「閉」ボタンがないことに気がつきました。案内してくれた人に尋ねたら、「なぜ急いで閉じる必要があるんだい?」と聞き返されました。

「閉」ボタンを押さなくてもエレベーターは数秒で自動的に閉まるから、手動と自動の閉じる速度には数秒の差しかないです。日本では速く移動しようという他の利用者への配慮から反射的に「閉」ボタンに手が伸びていたのですが、よくよく考えればボタンを押さなくてもそんなに変わらないし、速く押したことで駆け込む人をのせてあげられないこともあります。この経験は、「自分も日本も時間に厳しすぎなんじゃないか?」と考えるきっかけを与えてくれました。 (「閉」ボタンがないのは事故防止といった理由もあると思いますが)

ドイツのスーパーでは、後列に人が並んでいることを気にせずレジの店員とのんびり話しているお客さんを見かけることがありました。日本だったら後列の人がピリピリし始めるところなのですが、特にそういった雰囲気はなく、和やかでした。

日本は時間に正確に電車が来ますし、宅配も翌日に届きます。これは助かりますし、良いことだと思います!

でも、周囲に対しても時間に厳しい人が多いです。ドイツの思想と日本の時間に対する真面目さがハイブリッドすれば最強だなと思いました。

4. 都市開発がロジカル

東京駅も名古屋駅を私は「ダンジョン」と呼んでいます。わかりづらいし、わかっていても歩き疲れるからです。

(あ、都会は好きです。いろんな情報が得られるので。)

ドイツは駅のプラットフォームのレイアウトもわかりやすいです。改札がないのでサクサク移動できます。

他にも、放射状に道路が伸びていて、利便性に特化して街づくりを考えている気がします。 このことを知人に話したら、古来の日本の街づくりが中国の「五行思想」を取り入れているからでは?という意見がありました。

五行思想では、碁盤目状に道路を敷きます。しかし、放射状に道路を敷くのと比べたら、利便性に欠けます。

そんなこんなで、街づくりの節々にロジカルさを感じていました。

5. 休日は休日。オンオフがはっきりしている

日本と比較してドイツは休日の時間が十分にとれます。

OECDの年間労働時間の比較資料によれば、日本の年間労働時間は1680時間なのに対し、ドイツは1363時間で、約300時間もドイツの労働時間は少ないです。

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生活していてオンオフがはっきりしているなと感じた部分は2つです。

  • 日曜日にほとんどのお店が閉まり、公園で読書をしている人を多く見かけた
  • 残業が少ない

1点目は正直日本の方が便利だなと思います。でも、2点目はドイツの方が好きでした。

仕事スタイルの違いは本当に刺激的で、帰国後の就活で私が最終的にヨーロッパの外資企業を選んだきっかけになりました。

外国語はまだ上手ではないですが、いつかもっと世界を知り、発信していけたらいいなと考えています。

6. インテリアショップが多い(模様替え好き?)

家具のお店が多かったです!店ごとにコンセプトはまちまちで、イタリアの古民家のようなお店や、アジアンテイスト、東欧の雰囲気、オーガニックっぽい店など様々でした。 どの店も店主独特のこだわりが感じられ、見ていて楽しかったです。日本にもこんなお店がもっとあったら楽しいだろうなと感じました。

7. 環境意識が高い

レジ袋がもらえる店は少なく、代わりにスーパーやドラッグストアにはオリジナルバッグが売られていて、環境意識の高さを感じました。街中の植物の手入れも丁寧で、普通の民家のガーデニングがとても美しかったです。農産物に化学肥料を使用しないなどこだわりをもつ生産者が多く、消費者もオーガニック商品を気軽に手に取れることから、土壌汚染に対する意識も高いのではと感じました。私自身も広義的に環境問題にかかわる研究をしているので、これらの発見にわくわくしました。

良い文化を感じられて学びある経験でした

旅行で感じる国の文化も楽しいですが、滞在していたことで生活レベルでの文化を体験できて、とても良い経験でした。 環境、思想、先端技術に興味があったので、留学先が技術先進国であり、第二次世界大戦の敗戦国であるドイツで本当に良かったと思います。

ちょっとでも面白いなと感じていただければ嬉しいです!

読んでくださっている方々も、もし海外や国内でいろんな違いを発見したら、教えてください。

ではまた。